June Apple Mandolin のフレット交換、MOPナット交換

ID2444-3.JPGいつもお世話になっているギター整作家の西貝清氏製作のJune Apple Mandolinです。丁寧な作りでよく鳴っていますが、フレットがかなり減ってきましたので打ち換えることになりました。ついでに現在の牛骨ナットをマザー・オブ・パール(MOP) に交換し、ブリッジ周りも調整してベストな状態にします

ID2444-11.JPGナットのキワ(際)に当て木を置き、ホットエアガンでナットを温めてから慎重に叩いて取り外します







ID2444-15.JPGダメージ無しに上手く取り外すことが出来ました

ID2444-17.JPGフレットを抜く前に指板を濡れ布で覆い湿らせるとチップが欠けにくくなります

ID2444-28.JPGハンダゴテでフレットを温め、Thip Stopper を挿し入れてフレットを抜きます

ID2444-39.JPG減っていたのは1~7F辺りまででしたが、順反りがキツメでしたので15Fまで抜いて、タングの太いフレットを使って順反りを改善することにしました

ID2444-24.JPGマンドリン用指板スケールを当ててみると、少し順反り気味になっていることが分かりますので軽く指板削り調整とキツメのフレットを打つことで順反りを改善します

ID2444-45.JPGフレット打ちはJaws が使える箇所はこれを使用します。使えない箇所は通常のハンマーで打ち込みます

ID2444-60.JPG1~15Fまで打ち込んだら、弦を仮張りして指板のリリーフをチェックします。予定通りロッドに余裕があるようならそのままフレットを仕上げます

ID2444-68.JPGフレットエッジをファイリングします

ID2444-71.JPGフレット上面を最小限すり合わせしてレベル出しをします

ID2444-78.JPGレベル出しが終わったら1本ずつ面取りドレッシングしてフレットを仕上げます

ID2444-89.JPGつぎにMOPナットの作業に移ります。まず1弦と4弦の外側の弦の位置を決めます

ID2444-93.JPGそれから1弦と4弦のユニゾン弦の溝を付けます

ID2444-95.JPG1弦と4弦の幅、高さが決まったら、ナット弦溝の計算式で数値を割り出し、2弦、3弦の位置をトレースします

ID2444-116.JPGナットの弦溝の高さは弾き易さにもろ影響しますので、実際に弾きながら少しずつ追い込んでいきます

ID2444-110.JPGついでにブリッジ・サドルの弦間隔も調整し直しました

ID2444-130.JPGナットとブリッジ・サドルの絶妙な弦間隔が弾き易さのキモになると私は思っています

ID2444-120.JPGフレット交換、MOPナット交換、ブリッジ調整が完了しました。いい感じです!

ID2444-157.JPG西貝さん製作のマンドリンがさらにパワーアップしました。ということでとりあえず軽くジャムしましょ! まずはNine Pound Hammer ~♪(笑)